赤い月 弍
「あった。
景時、これを見よ。」
ハイ、強制終了。
景時の目の前に、薄い冊子が突き出された。
キューンと子犬の鳴き声の効果音がつきそうなほど、気の毒な顔をした景時が言った。
「…泣いてもイイデスカ?」
「悲しい事でもあったのなら、後で酒でも付き合おう。
だが先ず、これを見よ。」
「ハイハイ。
んー? おまじない全集?」
なんか似合わねぇモン出してきたなー、などと思いながら、景時はそのいかにも女の子らしい表紙の本を受け取り、ページをめくった。
「!」
景時の顔つきが鋭くなり、ページをめくるスピードが上がる。
それを見守るうさぎにも、笑みは見られない。