赤い月 弍
「景時!」
メットでペシャンコになった赤い髪を掻き上げながら、秋時を捜しに本堂に繋がる細い道を歩いていると、捜し求める張本人が小走りに駆け寄ってきた。
「あ、ジジィ。
ちょっとコレ…
って、なんかあった?」
ブルゾンの内ポケットから例の本を取り出そうとした景時は、秋時の顔を見てその手を止めた。
「オニっぽいのが出た。
行けるか?」
本から手を離し、代わりにバジュラを確認した景時は、オニ狩りの顔になって頷いた。
「行ける。
オニなの?
オニじゃねぇの?」