赤い月 弍

「妾の髪じゃ。」


「まじ?」


「我ら鬼神で鬼寄せは出来ぬ。
闇の色が濃すぎて、逆に他の闇が敬遠して寄りつかぬのじゃ。」


「純粋な『闇』ってワケね。
でも、魔除けになってないみたいよ?」


二体のオニを視界に捉えながらも、赤い瞳と茶褐色の瞳は苦しむ小鞠の上から離れない。


「だから鬼を寄せた阿呆は、妾を鬼神と知り、髪を手に入れられるほど身近な者。
尚且つ、妾の闇の穢し方も鬼寄せの方法も知っておる、呪に長けた者じゃ。」


「髪の毛取れるほど身近なー?
髪の…毛…


あ。」

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