赤い月 弍

湧き上がる殺意を隠すことなく顔に表す景時の頭を撫でながら、薫は結果オーライじゃーん、などとさらに不自然かつ豪快に笑った。


「ほら、アレだ。
うさぎサマは大丈夫なの?」


「…んー…
しばらく休ませる。」


不穏なオーラに慌てた薫がうさぎの話題を振ると、案の定景時の雰囲気はガラリと変わる。


(単純すぎンだろ。)


薫はこっそり苦笑した。


「なんだ?
そんなダメージでかいワケ?」


「ううん。全然。超元気。
昨日ゲーム買って帰ったら、家でどっぷりハマってる。
でも… 心配だし。」

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