赤い月 弍

景時がもたれかかっていた壁の陰から姿を現したのは…
小鞠だ。

途端に三人は眉根を寄せた。

コイツが余計なコトを…
だが、コイツならチョロい。


「勘違いだよねー?
桜木ちゃーん?」


「そうそう。
私ら仲良しだったじゃーん?」


「また仲良くしよーよー。

前みたいに… さ。」


まるで脅迫。
いや、まさに脅迫。
わかっているが、景時も薫も彼女たちを咎めない。

小鞠がいつものように俯かなかったから。


「仲良くなんかなかった。
いっぱいぶたれたし、お金だって取られた。
アナタたちがしてたのは、イジメだよ。」

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