赤い月 弍
だって…
「やっぱり、うさぎちゃんは私の憧れの女の子だよ。」
その言葉を聞いたうさぎが険しい顔をしたが、小鞠は止まらない。
うさぎの瞳を正面から受け止めて、晴れやかに笑う。
だって… 彼女は私の目標。
「私、自分のいいトコロはうんと褒めてあげて、自分の悪いトコロは頑張って直してく。
それで ね?
自分をいっぱい大切にして、他の誰かのコトも大切に思える女の子になる。
うさぎちゃんが教えてくれたみたいに。
私、うさぎちゃんが大好き!」
大胆な告白と共に、小鞠がうさぎに抱きついた。
柔らかな衝撃にその身を揺らしたうさぎは、困った顔で空を仰いでから、苦笑しながら小鞠の茶色いクセ毛を撫でる。
優しい手の感触に、小鞠はそっと目を閉じた。
「…小鞠、そなた…
景時と似てきたのではないか?」
「え?
それはちょっと…
や、ゴメン。かなりイヤ。」