赤い月 弍

「「‥‥‥は?」」


「喰うことはできるぞ。
肉も魚も、無論人も、な。
だが喰わずとも生きてゆける。
我ら鬼神は、海や大地…この世の基盤となるもの全てから、精を取り込み生きておるのじゃ。
妾も目覚めてからは、景時、そなたの肉しか喰っておらぬ。」


「はあぁぁぁぁぁ?!」


叫んだのは薫。

景時は放心状態で、口からエクトプラズムを出している。


「なんだ?! ソレ?!
紛らわしいわ!!
一瞬、オメェを狩ろうかと、本気で考えたわ!!
‥‥‥‥‥
ウソデス。ゴメンナサイ。」


うさぎの絶対零度の視線を浴びて、薫の怒りは急速に冷めた。
心なしか、顔まで青ざめている。

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