赤い月 弍

野郎一人と女子二人の好奇に輝く目が、うさぎの答えを待っている。


「景時は妾の『すとぉかぁ』じゃ。」


「「「?!」」」


「???!!!
ううううさちゃん?
そんな言葉ドコで?」


慌てたのは景時。

うさぎに集中していた興味津々な眼差しは疑惑のそれに変わり、景時に浴びせられている。


「うむ。
先日、そなたの家の『てれび』で学んだのじゃ。」


あまり表情が変わらないので感情が読みにくいが、景時にはわかる。

うさぎは新しく覚えた言葉を使って、得意気だ!

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