赤い月 弍

もう猛獣に順応したのだろうか。
うさぎのほうが驚きで瞳を揺らしている。


「ヒドいコトされたり、困ったコトがあったら、すぐに言うンだよ?
私らはアンタの味方だから!」


「そーだよ?
もう友達なンだから!」


女の敵の出現で、女の友情は芽生え、深まる…ということらしい。


「そ…それはありがたい。
実は今、妾は困っておる。
先程、景時が寄越したのだが…
これは、どうすればよいのじゃ?」


うさぎは少し戸惑いながら、そっとブリックパックを差し出した。


「うわー… コレ知らないとか。
まじ姫なンだ…」


「コレはね?
コレ取って、ココに刺して、飲むの。」


「ちゅーってすンだよ。」

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