赤い月 弍

音にすると判別しにくいケド、今の『やっても』は『殺っても』デスヨネ?
ワカリマス。

もちろん本気じゃないことは、わかってる。

うさぎが本気になれば、彼女の鬼気だけで、ここにいる三人だけでなくこの学園にいるほとんどの生徒は瞬時に息絶えるだろう。

だが、『小鞠を打った』と言った彼女の瞳には、微かに赤い炎が灯っていた。

本気ではない。
が、確実にお怒りだ。


「あのー… うさちゃん?
とりあえず、放してあげて?
俺が話するから。ね?」


「…ふん。
では、そなたが躾てやるがよい。
この阿呆共、そなたに気があるようじゃぞ。」


「…はぇ?」

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