赤い月 弍
「あぅ… ソノ通リデス。
大丈夫? 小鞠ちゃん?」
「あ、大丈夫、大丈夫。
これくらい平気だよー。」
二人の気遣うような視線を集めて、小鞠は少し赤くなった。
「頬が腫れておるし、足首は熱を持っておるようじゃ。
景時、ここに薬師はおらぬのか?」
「まじ? 保健室があるケド…
酷いようなら、直接病院行ったほうがイイかも。
小鞠ちゃん、元々足痛めてたでショ?
俺、先生に」
「え? え?
大袈裟だよ…」
「よい。
佐々木には妾が言っておく。
景時は小鞠を頼む。」
「…あの、私の話、聞いてる?
キャっ!」
景時が小鞠の背と膝の下に腕を回し、その体を抱え上げた。
残念、誰も小鞠の話は聞いてマセン。