愛のカタチ


「今日からお前らの担任になった、篠原 亮(しのはらりょう)だ。担当は現国、まあなんだよろしくな」



そう紹介されたのが、約三ヶ月前。

彼の第一印象は、真面目ちゃん側な私たちからしたら、馬鹿そうな先生って感じ。

焦げ茶に染めた髪を後ろでまとめて、両耳に真っ赤なピアス。
教育者がそんなんで良いのかと言われれば、今時の女子高生側からすればありらしい。

入学式当初から、私の周りでは篠原亮先生の話題で持ちきり。
もちろん彼が、彼女らが言う美形の部類だからだけれど、もう一つ理由を上げるなら、彼が十代のときモデルをしていたことが原因だと思う。

そんな彼は今年25歳。

そんな私は16歳。







「え…、なにこれ、…」


飛び交う拳、飛び交う血。

一方的に暴力をふるっている人物を、私見なかったことにしていいのかな。

ただ固まることしか出来なくて、じっとその一部始終を私は見ていた。

道行く人と同じように、私も通り過ぎちゃえば良かったんだけど。


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