跪いて、Kiss -episode 0-
「えーと、4は…」



「「「キャァァァー!!」」」



「………ブッコロス」



「いっくん…怖い」



「伊都。男なら諦めろ」



興奮マックスの親友達に亮輔くん。怒りに肩を震わせる俺サマもとい伊都サマと怯える真生くんに冷静な冬馬くんというカオス空間に運良くひとり取り残され、存在なんて忘れられてるっぽいあたしは、とりあえずこの場から逃げるべく、バッグ片手に四つん這いになった。



右よし。左よし。前よし。よし!このまま前進!ビバ★ドアの近くの席!



そして、ひっそり、コッソリ、ドアに手を伸ばした…瞬間、



「んーあれ?4って誰だ?」



「「「「「へ?」」」」」



「あっ……あぁぁぁぁぁー!!!」



あっさりと捕まってしまった。

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