跪いて、Kiss -episode 0-
「でっ、俺に何をしろと?」



「えーと…カラオケを一曲…」



「「「「チュウ」」」」



「「あー…」」



立ったままのあたしの目の前にはソファーに深く腰掛け、偉そうに足を組みあたしを見上げる伊都サマ。



「俺が?この女に?……ハッ!」



「…………すいません」



まるで品定めするかのように足の先から頭のてっぺんまで一瞥し、鼻で笑った伊都サマになんとなく謝ってまったあたしは、スッと俯くと、バレないようにコッソリ、チッと舌打ちした。

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