夜籠もりの下弦は恋を知る

「もちろんです!貴女一人、京に残して行くなど…私にはできません!」

切実な夫の声に、輔子は微笑んだ。

「はい。重衡様…」


そして、伝える。



「苦しむならば、諸共に」


(輔子はずっと、重衡様のお傍を離れません)






こうして、平家一門は都を落ちていった。











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