夜籠もりの下弦は恋を知る
その後、潤は帰る時に玄関で揚羽と維盛に会った。
「潤!聞いてよ!アタシ、前世がこの人の妻でさ!」
「重衡、俺たちもつきあうことになった」
維盛が得意そうに報告すると、重衡は潤を抱き寄せ言った。
「つきあう?俺たちは結婚の約束をしましたよ。ねえ?潤」
やっと冷ました熱が再び上昇する。
「おお~!!潤やるね~!」
「ちょっと、重衡さん!?」
恥ずかしいから人に言うなと目で訴える。
「潤、『さん』は無しでと言ったでしょう?」
「~っ無理!!人前じゃ無理!!」
「なら、二人きりの時にはお願いします」
悪戯っ子のように、重衡は微笑む。
これから始まる、幸せへの物語。