夜籠もりの下弦は恋を知る
「フッ…いい加減なことを…」
馬鹿にしたように笑う重衡に、維盛も負けじと言いつのる。
「しらばっくれるか?お前が新任の英語教師と危ない関係だったことはバレているぞ」
(マジですか?重衡さん?女教師と不倫…?いやいや、私はまだ妻じゃないから不倫は違うか)
「そんな自分を省みず、前世の奥方には自分のもの呼ばわりな上に嫉妬…。ハッ、どんだけ自分勝手な神経なんだ…?」
言葉で責める維盛。
ズハズバ言われている重衡が何だか可哀相になり、潤はフォローに回ることにした。
「あ~、そんな怒んないであげて下さい。私は平気です。重衡さんがプレーボーイだってことは前世から知ってるから」
すると重衡が堂々とツッコミを入れた。
「プレーボーイではありません。フェミニストです」