夜籠もりの下弦は恋を知る

「フッ…いい加減なことを…」

馬鹿にしたように笑う重衡に、維盛も負けじと言いつのる。

「しらばっくれるか?お前が新任の英語教師と危ない関係だったことはバレているぞ」

(マジですか?重衡さん?女教師と不倫…?いやいや、私はまだ妻じゃないから不倫は違うか)

「そんな自分を省みず、前世の奥方には自分のもの呼ばわりな上に嫉妬…。ハッ、どんだけ自分勝手な神経なんだ…?」

言葉で責める維盛。

ズハズバ言われている重衡が何だか可哀相になり、潤はフォローに回ることにした。

「あ~、そんな怒んないであげて下さい。私は平気です。重衡さんがプレーボーイだってことは前世から知ってるから」

すると重衡が堂々とツッコミを入れた。


「プレーボーイではありません。フェミニストです」


< 56 / 173 >

この作品をシェア

pagetop