夜籠もりの下弦は恋を知る
現代③:俺の幼なじみです
〈現代③〉


 (うう~、昨日は疲れた~)

翌日、学校で退屈な授業を受けながら、潤はあくびを繰り返した。

(近代日本史なんてつまんないよ~)

面白いのは幕末までだ、なんて思いながら「明治政府がうんたらかんたら」と説明している先生のはげ上がった後頭部をぼんやり眺める。

(皆すごかったよな~。知盛さんとかはお酒強かったけど、重盛さんや宗盛さんはもうベロンベロンで…)

あれから続々と参加してきた中で、長男の重盛と三男の宗盛が酒に弱いらしかった。

父である清盛に「ほれほれ飲め飲め!」と命令されて飲み過ぎた結果、ぶっ倒れた。

それぞれの奥さん達に看病され大事には至らなかったが、清盛の相手を次男の基盛に任せて途中で退室してしまった。


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