夜籠もりの下弦は恋を知る


 さて、昼時となり、潤は教室内で弁当を広げた。

隣には揚羽が座っている。

「ふーん。昨日、そんなことがあったんだ~」

揚羽はパンを食べながら「あの転校生がね~」とぼやく。


潤は、重衡の家で晩ご飯を食べたこと、付き合ってくれ(結婚してくれ)的な発言をされたことを報告した。

ややこしくなるので前世うんぬんのことは黙っておく。


「で?付き合うの?」

「え!?あ、うん…たぶん…?」

私、前世で妻だし?なんて考えながらも曖昧な返事を返す。


「平野重衡か…。カッコイイけど、なんか浮気しそうな感じ」

「え?なんでそう思うの?」

重衡の女好き(違います、フェミニストです!by重衡)を見抜いた友人に驚く。


「だって、ほれ」


< 89 / 173 >

この作品をシェア

pagetop