アイドルたちの裏の顔!!?
家族。
Side美紀
「俺は裏切られたんだ。」
千尋くんは辛そうに顔を下に向ける。
自然に私の体が動く。
ギュッ
強がる千尋くんを抱き締める私。
千尋くんは黙って私の体に体を預ける。
「裏切られたって決めつけるのはまだ早いんじゃない?吉佳さんの話をちゃんと聞こう?」
私の視界に心配そうに千尋くんを見つめる吉佳さんが入る。
息が荒い吉佳さん。
「家族に血のつながりとか関係ないよ。」
だって吉佳さんのあの目。
あれは優しい目だよ。
誰かを愛する目。
私が向けられたことのない目。
「......わかってる。吉佳さんは俺を愛してくれている。わかってるけど.....。」
弱々しい千尋くんの声は続ける。
「吉佳さんは俺なんて要らないんじゃないかと思った。アイツらに簡単に俺をあげちゃうんじゃないかと.......、」
「違う。」
吉佳さんの声が聞こえる。
千尋くんは黙って腕に力を入れる。