Diva～見失った瞬間から～

｢………カナ？｣


｢…………あ…。｣

終わってたんだ…。

フッ…と、頬に何かを感じた。


｢泣いてる。｣

葉月君が私の頬に触れたみたいで、

頬に伝う私の涙を拭ってくれた。


自分が泣いてるなんて

全然気付かなかったけど

私の頬から放れた葉月君の指には、

確かに透明の雫が数滴のっていた。


｢………大丈夫か？｣


｢……あ、えっ…と…。｣

泣いてることに気付かなかったなんて、

おかしいのかな。


｢奏乃ー！｣


｢ぅわっ…。｣

な、何??

ズシッと肩に重みを感じると、

真川さんの顔が

随分と間近にあって驚いた。


｢そんなに感動してくれたの!?

嬉しいーっ！｣

か、感動…？私、感動してたの？


｢いや真川さん…あ、あの…。｣


｢真川さん(゜ロ゜)!?私のこと!?

良いよ良いよ！

シン…じゃなくて優杏で!!｣

ど、どうしようか…(ーー;)。


｢シン。それは後。

今は俺らのバンドの話が先。｣

葉月君が冷静に

真川さんを私から離した。