Diva~見失った瞬間から~
「じゃあカナ。
一応聞くけどもう涙大丈夫?」
「え?あ、あぁ。うん。」
あぁもう。涙はもう良いから。
てゆうか泣き顔見せるとかマジ無い…。
「大丈夫だよ。」
だから早く話をしてくれ。
「そう。じゃあ率直に言うと、
俺らのバンドはCanzone。」
カンツォーネ…。バンドだったのか。
「Canzoneは、顔を出さないで
CD・ラジオによって流れる音楽、
メンバーの本名かどうかも分からない
名前しか世間に流れてない
通称、謎に包まれたグループ。」
顔を出してない…。
「で、そのメンバーが俺ら。
ここまでは大丈夫?」
「あ、うん。」
本当に丁寧に教えてくれる葉月君。
「そしてそのバンドでの呼び名が
さっきから俺らが呼びあってるヤツ。
俺は、天野の天を取ってテン。」
「俺は河崎の河を取ってコウな。」
「私は真川の真でシン!」
「……俺は西谷の西でセイだ。」
名前の頭文字を音読み?
結構簡単…てか単純…。
それより…私達に、仕組みが似てる。
「大体、こんな感じだ。
何か聞きたいことある?」
葉月君が私に聞いてきた。