Diva~見失った瞬間から~
――…。
駅前のカフェってどこだよ。
私は広い駅周辺をブラブラと歩く。
あぁー…場所分かんない。
人もたくさん居るし…。
「はぁ…………帰ろうかなぁ…。」
なんて思ったり。だって分かんないし。
「ダメに決まってる。」
「ひゃぁっ…!?」
肩に何か触れた。
…………この流れは。
私は後ろを振り向く。
「…………葉月君。」
だよねぇ。こんな場所で、
私に話し掛けるのなんて
葉月君くらいだよね。
「駅前のカフェっつった。」
葉月君は若干不機嫌な様子。
どうやらカフェで待っていたらしく、
葉月君からは微かに
ブラックコーヒーの香りがした。
良いなぁ。私も飲みたい。
「ごめんなさい。
カフェの場所が分からなかったから。」
「……………携帯持ってるハズだけど?」
携帯?何で携帯……。
「…………………………………あ。」
馬鹿じゃないか、私は。
携帯持ってるなら葉月君に連絡とか
ナビとか地図とか有ったでしょうが。
「…………まぁ、合流したし。行こ。」
うおっ。
今日も私は腕を引っ張られるらしい。