Diva~見失った瞬間から~

『――…。』

…………あ。


『――…。』

この、メロディーは…。


遠い意識の中、綺麗に空気と溶け合う

ピアノの音だけがはっきり聴こえた。


それも、酷く懐かしい旋律。


『――…。』

この曲…

もう、聴くことはないと思ってた。


『――…。』

この曲は、

私以外の人に聴かれること無く

消えていくハズの曲。


でも、何故?

私、演奏してない。

ピアノ弾いてないのに。


『――…。』

何故…奏でる音が聴こえるの?




< 164 / 500 >

この作品をシェア

pagetop