Diva~見失った瞬間から~
「………。」
重い瞼を開ける。
「………私…。」
あ、そうだ。
葉月君に送って貰ったんだ。
で、寝ちゃって…
どれくらい経ったかな。
《――…。》
「…………え…。」
この、音。
夢でも聴いた音だ。
《――…。》
「………夢…じゃ、無い…?」
私はベッドから降りる。
「…わゎっ…。」
体に思うように力が入らなくて、
私は体のバランスを崩してしまう。
慌てて近くの壁に手を着いた。
………危ない危ない。
《ガチャ…》
部屋を出て、1階に降りる。
《――…。》
「…。」
そして…あの部屋に行った。
《――…。》
まだ、
ピアノの音は鳴り響いているうちに。