Diva~見失った瞬間から~
『カナが自分から言えるようになるまで
待とうと思った。』
……。
頑張らなくちゃ…と、
"箱"を開けてはならないのだ、と。
必死に私は自分に言い聞かせる。
でも、葉月君と居ると…
その決心が揺らぐというか…
忘れそうになる。
鈴に似た安心感を抱いてしまうから、
1人じゃ無い感覚に似た錯覚に溺れて…
私が頑張らなくても
良いんじゃないかって。
馬鹿だよね。
葉月君の側は確かに安心出来るけど、
彼には彼の居場所が在るんだから。
葉月君が
私にどんなに優しくしてくれても、
私が1人なのは、変わらないの。
結局、私の居場所は"彼女"だけなのだ。