Diva~見失った瞬間から~
「……誰。」
整った唇から、麗しい声が。
誰…って、あ。私のことか。
………名前を言うべきなのか?
「「………。」」
き、気まずい…(汗)。
「……と、とりあえず…
手を離していただけませんか。」
沈黙を破ったのは私。
いい加減首が痛くなってきた。
私の目の前のこの人は、背が高すぎて
目を合わせるのにも見上げる状態なのだ。
「……名前は。」
「あ、いや…だから、手を…。」
「名前。」
なんっつー人だ。
名前教えないとこのままかよ。
あ…痛い。マジで首痛い。
くそぅ。言いたくないが…このままじゃあ
私の首が確実に死んでしまう。
「……相澤(アイザワ)。」
名字だけで良いや。
「手を離していただけませんか。」
再び、首(頭か?)の解放を求める。
てか、何なのこの人。
普通初対面の女子(一応)の顎掴むか?
「名前。」
まだ離さないし。
……マジで勘弁してよ。