Diva~見失った瞬間から~
「……葉月から
ずっと目を離さないよな?
その時の奏乃の顔には、
葉月しか映ってない。
アイツの歌に…吸い込まれてた。」
え…、そんな風に見えたの?
「俺は、それが嬉しかった。」
「………え…。」
どういう意味なんだろう。
「……俺らが顔を出さないで
活動してるのは歌を聴いて欲しいから。
奏乃は、
俺らの演奏を聴いて泣いてくれた。」
「……っ、私はよく、分からないよ。
それは…無意識だったし…。」
そんなに聞こえの良いモノじゃないよ。
「無意識だった?だったら尚更。
無意識に涙を流せるほど…
心から感じて、
それでいて感動してくれた。」
「……そんなんじゃ、ないです…。」
"心で聴く"なんて、そんな綺麗なことが
私に出来るハズがないじゃない。