Diva~見失った瞬間から~
「………へぇ。」
彼はそう言って手の力を緩めた。
あ、首が動く。
ひょい、と首を動かしたら、
ようやく辛い体勢から解放された。
「…こんな時間に、散歩?」
彼はまだ質問があるらしい。
……ぶっちゃけ帰りたくなってきたわ。
「1回起きたら、寝れなくて。
気分転換に外に出たんです。」
よし。言った。言ったぞ。
もう帰ろう。
「あの、私もう帰りますね。」
「最後の質問。」
………この人…私の話聞いてた?
私、帰りたいんだが。