Diva~見失った瞬間から~
「あ…えぇ。
コレを奏乃ちゃんに渡したかったの。」
そう言って鈴のお母さんが
テーブルの上を滑らせて、
私に渡したのは白い封筒。
「……あの日、鈴が亡くなった後、
あの子の遺品を整理してたら
引き出しから出てきたの。
コレ…奏乃ちゃんに。」
「え…私に、ですか?」
封筒は、本当に真っ白で無地。
鈴らしくない、質素な封筒だった。
「…えぇ。あの子、その封筒。
宛名も書いてないでしょう?
私も分からずに読んじゃったけど…。」
「……。」
「読んで。奏乃ちゃん。」
「………は、い…。」
白い封筒を開けた。