Diva~見失った瞬間から~
「カナ…。強がりは、ここまで。
後は…周りに頼ってみよう?」
「た、よる…?」
「そう、頼る。牧原とか、優杏とか。
碧眞とか、翡翠とか、蒼空とか。
まぁ、俺に1番頼って欲しいけどな。」
「……頼って…良いの?」
私は十分に
あなたに優しくされてるのに。
その上に頼る、なんて。
「私は、葉月君に…頼って良いの?」
「馬鹿だな。良いに決まってる。」
顔は見えないけれど、
きっとその綺麗な顔は目元がキュッと
上がった笑顔なんだろう。
「俺、早くカナの歌、聴きてぇよ。」
「………。」
あなたの言葉は、魔法の言葉だね。
「………カナ?」
私にとって、
嬉しい言葉をあなたはくれる。
私にとって、かけがえの無いことを
あなたは言葉にして教えてくれる。
「………ありがとう。」
あなたのお陰で、
少し分かった気がするよ。
"歌って欲しい"と願った、彼女の想いが。
"守って欲しい"と言った、彼女の言葉が。
あなたのお陰で、答えに近づいた。
葉月君。ありがとう。