Diva~見失った瞬間から~

私がここに、Canzoneに戻った時。

私は皆に

Divaのことを話さなければと思い

葉月君に支えられながら話した。


皆の反応が怖くて仕方がなくて、

数秒間の沈黙が凄く長く感じた。


けど、私に返ってきた言葉は。


「奏乃があのケイなのぉっ(゜ロ゜)!?

嘘嘘っ!えぇ!ちょっ…ヤバい感動!」


「すっげ…。」


「あの伝説の歌姫を連れてきてたとは…

まぁ、さすがテンだよな。」


「……え?」

優杏も、碧眞君も、翡翠君も。

誰1人として、私を責めなかった。


「ホラ、カナ。やっぱ社長と同じ。」

微笑みながら、

私の頭を撫でる葉月君の手に

私は馬鹿みたいに安心感を抱いて。


「カナは、ここに居て良いんだよ。つか、

ここに居るべきなんじゃねーの?」

馬鹿みたいに安心感を抱いた私への

その優しい一言は、

私の視界を滲ませるのには十分だった。


「ありがとう…。」

私はここに居て良いんだ。


数年ぶりの明るく温かい感覚に

私の心や体は麻痺しまくっていたけど。


皆の温もりを、

感じられたことが嬉しかった。





< 281 / 500 >

この作品をシェア

pagetop