Diva~見失った瞬間から~
第9章
♯恋色♯
《カランカラン》
「いらっしゃいませ。」
どれくらいぶり?
このカフェに来たのって。
「2名様で宜しいですか?」
「はい。」
「では席にご案内致します。」
ドアを開けたときの鐘の音とか、
ピシッて感じのお姉さんとか。
全然変わってない。
まぁ、
この短期間で変わってたら凄いけど。
「ご注文はお決まりですか?
お決まりでない場合はまた参ります。」
「すみません、
おすすめとか有りますか?」
…葉月君は本当に
新メニューのために来たらしい。
「おすすめですと、
こちらの新メニューでして、
生クリーム乗せ
ブラックコーヒーとなります。」
ブラック…苦いじゃん…。
「………いえ、じゃあカフェオレで。」
「え?」
わわ、思わず声が。
え、だって、新メニュー頼まないの??
「こちらのお客様はお決まりですか?」
私が悶々と考えているうちに、
店員さんが私の注文を待っていた。
「えっ…と、
じゃあ、私もカフェオレで…。」
前と同じだけど美味しいから良いや。