Diva~見失った瞬間から~
「伝票はこちらに置かせて頂きます。
ごゆっくり。失礼致します。」
「「……。」」
テーブルの上には
湯気を天井に向かって放つ
カフェオレが2つ。
「……で?」
「え?」
「カナの誕生日は?」
あぁ、話は続いてるのか。
「私の誕生日は12月。12月23日。
クリスマスイブの前の日だよ。」
「へー、惜しい…。」
うん、私もそれ思う。
けど、最近は誕生日なんて
全然考えてなかったな。
7年前。家族を失って。
3年前。親友を失って。
毎年時鶴が祝ってはくれるけど、
ただ、それだけだった。
「おぉ、甘っ。」
葉月君はカフェオレを口にするなり、
ちょっと驚いた様子。