Diva~見失った瞬間から~
……鈴。
あなたが隣に居ないステージなんて、
私にはとても上がれるモノじゃない。
そう思ってたけど。
「優杏、
たまには良いこと言うじゃねぇか。
奏乃、俺も同じだ。
俺も…お前に、"奏乃"に歌って欲しい。」
「碧真…君…。」
「俺らの曲を聴いてくれたから。
聴いて、その思いを受け取ってくれた
奏乃だから、俺らは頼んでんだ。」
「…翡翠君…。」
ぎゅう…っと、
優杏に握られた逆の方の手に
握られた感覚を覚える。
「葉月君…。」
その手を握ってくれたのは、
葉月君だった。