Diva~見失った瞬間から~
舞台の上で暗闇の中待っているのは、
それぞれの担当楽器を手にした皆。
私は、客席から見えないよう、
皆の後ろに立つ。
「ソウ。お前のことは、
こっちから説明すっから、
お前は歌うことだけに集中してくれ。」
「うん。」
この、身体中に感じる独特の威圧感。
目の前に感じる大勢の人達の気配。
………懐かしい。
結局、私。戻ってきちゃったな。
「「「「「きゃぁぁぁあああっ!!!!」」」」」
大きな歓声が聞こえて、
ゴーグルの下で閉じていた目を開けると
あの日々と変わらない、
この会場があった。
照明が点き、舞台が照らされた。
始まった。