Diva~見失った瞬間から~
鈴の時間はあの時に止まった。
歌も、音楽も、あの瞬間に、止まった。
鈴と一緒に居たいという
願望が強かった私は、
自分で自分の時間を止めた。
その当時のままの、私の家のあの部屋。
その当時のままの、CDや楽器。
その時が止まった光景を見て、
鈴がここに居たという
証を作りたかった。
鈴が居ない世界が怖かった。
鈴の声が聞こえない世界が怖かった。
"2人"という
温もりを知ってしまったから。
また、"1人"になるのが怖かった。
眠れない孤独の夜が
どんどん大きくなって、
私は、また1人になった。
時鶴がどんなに言葉を掛けてくれても、
私は真っ黒な孤独感に包まれていた。
ホントは、ホントはね。
あの手紙を見た時、酷く戸惑った。
けど、それだけじゃ無かったんだ。
何年かぶりに感じる、嬉しさがあって。
だからきっと、鈴の言葉は私を救った。