Diva~見失った瞬間から~
「奏乃…天瀬君の中で絶対脈ありだ!」
「意味分かんないよ。」
時鶴の発する言葉が
理解できなくなってきた。
「だって、天瀬君ってね?
他高の女の子に凄くモテてるのに、
全然女の子と喋ろうとしないんだよ⁉︎」
…やっぱ、葉月君モテるんだ。
可愛い子に告白される場面とか、
容易に想像できるけど、モヤモヤする。
「その天瀬君が!
奏乃とはペチャクチャ喋る!
ソレを脈ありと呼ばずに何と呼ぶ!?」
「ぺ、ペチャクチャは…喋んないかな。」
その表現は葉月君に合わないな。
「とにかく!気づいた想いが有るなら、
ソレを伝えることが大切だってこと!」
どこらへんからその結論に達したの??
「奏乃、天瀬君のこと、好き?」
「…………。」
「嫌いなの?」
「嫌いじゃない。」
嫌いになれるわけが無い。
「じゃあ、奏乃は天瀬君が"好き"なんだ!
嫌いじゃないなら好きなんだね。」
「…そんな単純な…。」
2択しか無いって…。
「良いじゃん。奏乃の中では、
元々"好き"か"嫌い"しか無いんだからさ。
その"好き"の中で、
天瀬君は特別でしょ?
"好き"だけど、
他の人とは違う"好き"でしょ?」
「………まぁ、そうだけど……。
ソレで、"恋"だって考えるのは…。」
「簡単すぎるって?」
私はコクリと頷いた。
だってそうじゃん。
自分で自覚してない想いなんて、
分からない。
そんな簡単なことなのかな。