Diva~見失った瞬間から~
「単純でも、複雑でも。
そんなの関係無いと思うよ?
"恋"は人それぞれ、違うんだから。」
「…。」
「寧ろ、分かりやすくて良いじゃん。
"好き"の中に有った、特別な感情。
ソレが、
人間の"恋"なんじゃないのかな。」
「………そう言うモノなの?」
「そう言うモノなの!」
時鶴に言われて、何かドンと来た。
葉月君のこと、好き?って言われたら
私は迷うこと無く好きって言える。
葉月君の好きは皆と同じ好き?って
言われたら私は迷うこと無く
違うって言ってしまう。
じゃあ、どうゆう好き?って言われたら
ソレは私にも分からなかったから。
「奏乃は、
初めての想いに戸惑ってるだけ。
感じたことの無い感覚に
慣れてないだけ。もう少し
考えてみれば分かると思うよ?」
………考えてみれば、か。
「あたしが蒼空君好きになったのなんて、
ぶっちゃけると
一目惚れも同然だからね(笑)。
そう考えると、
奏乃の想いは分かりやすいよ。
一目惚れとかじゃない分、
比べやすいから。」
「…比べやすい?」
「うん。今度天瀬君を考える時さ、
他の"好きな人"と比べてみて?
"好き"って感情の重さとか、
温かさとか。」
「………まぁ、考えとく。」
「奏乃ツンデレ!可愛い!!」
「意味不明だから。」