Diva~見失った瞬間から~
「え?どの瓶??」
「これ。カクテル。」
葉月君が私に見せてくれた瓶は、
微かにオレンジの香りがした。
パッケージには、
オレンジが描かれている。
パッと見、オレンジジュースに見える。
が、葉月君の言う通り、これは…。
「カクテル…だね。」
しかも封切ってあるわ。
時鶴、これ飲んで酔っ払ってるな。
「んふふー♪」
めっちゃ笑顔。可愛いー。
「………こりゃー寝るな、絶対。」
隣の葉月君が言った。
「寝る?」
「牧原、酒弱そうだし。
多分、もうじき寝るぞコイツ。」
「そーらくーん♪」
「うおっ。」
時鶴は私達の目を気にすることもなく、
蒼空君に思いっきり抱き付いた。
あ、人目を気にしないのは
酔ってなくても一緒か。
「おいおい、時鶴?」
蒼空君が少し困ってる。