Diva~見失った瞬間から~
「……何で…。」
何で、そう言ってくれるの。
あなたの温かな言動には
いつも身体が震える。
嬉しくて堪らないのだ。
「…カナ、泣くな…。」
葉月君の綺麗で長い指が私の涙を拭う。
駄目だ、最近、涙腺が緩くなってる。
「…ずっと側に居るから、
俺に寄り掛かって欲しい。」
"ずっと側に居る"。
鈴が1度だって
私に言ってくれなかった言葉。
あなたに言われて初めて私は知った。
"永遠"という言葉への憧れを。
鈴の時は、家族を失った後の出会いで、
きっと思考の片隅で、
「もう大丈夫だろう。」と
思っている自分が居たんだと実感する。
もう、私は大切な人は十分に失った。
これ以上神様は
私から奪わないだろう、と。
見事に大外れだったけど。
"永遠"なんて、嫌いだった。
他人にはあるのに、
私には絶対に訪れない。
それこそ、"永遠"に。
そもそも好きじゃない。
"永遠"なんて言っても、
人間は未来を見ることは出来ないもの。
何が起きるかも分からない。
"永遠"を誓ったハズの相手が
病気にかかって死ぬかも知れない。
事故に会って死ぬかも知れない。
もしそこで
相手が帰らぬ人になってしまったら
相手と今までに過ごした時間を
"永遠"だと思えるだろうか。
私はそんなの、"永遠"じゃない。と思う。
だから"永遠"なんて考えなかった。
いつも関わりを持つときは
常に"最後"を意識して関わってきた。
私は…"永遠"なんて要らないハズだった。