Diva~見失った瞬間から~

「あと、これな。」

ボーッとしている私に

葉月君は何かを差し出した。


それは、見たことのある店の

ロゴが入った小さな袋。


あれ、このロゴ…どこかで。


「開けてみ。」


「……うん。」

葉月君から受け取って、

私はその袋を開けた。


「……あ…。」

中に入っていたのは、ピアスだ。

形も、タイプも

私が葉月君にあげたモノと全く同じ。


ただ1つ違うとしたら、

それはエメラルドグリーンではなく

オレンジのピアスだと言うこと。


「このピアス…

カナにも似合うと思って探した。

買った後で、

カナが穴開けてないのに気付いた。」


「………また開けるよっ。」

嬉しい、嬉しい、嬉しい…。


だって、葉月君と色違いだよ?

葉月君と少しでも近付けた気がする…。


「………じゃあさ…。」


《ガチャッ》


「ただいまー。」


「………。」


「………。」

誰?


「……ハァー…。」

葉月君は大きな溜め息をついた。


「葉月君?今の声、誰…?」


「………あぁ、今のは…。」




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