Diva~見失った瞬間から~
《キーンコーンカーンコーン》
さすがに11時前に来ると、
いつも以上に授業が短かった。
すぐに午前中の授業は終わった。
授業が終わり、昼休みになると、
時鶴が私の方に小走りでやって来た。
今日は仕事無いのかな。学校に居るし。
「もぉっ!奏乃、3時間目始まっても
全然来ないから休みかと思ったよっ!!」
「ごめん。寝坊した。」
「ホントだよー!
今日はパーティーなのに!」
「ごめんって。」
……………何か忘れている気がする。
パーティー…。パーティー…あ。
「ねぇ、時鶴。
昨日のメールのことなんだけど。」
「え?ごめん、誤字あった?」
「あった。………て、それじゃなくて。」
何気あったんだよね。誤字。
でも、聞きたいのはその事じゃない。
「私に会わせたい人って誰?」
コレだよ、コレ。
コレを聞きに学校に来たの。
「あぁー、その事?うふふー♪秘密ぅー♪」
「はぁ?」
秘密とか、何ソレ。
いや、秘密の意味は分かるけどさぁ。
「ちょちょちょ…奏乃ったら!
女の子がそんな顔しちゃダメッ!!」
……………どんな顔だよ。
時鶴に言われると尚更傷つくし。
「と、とにかくっ!今日奏乃には、
昨日みたいな格好してもらうよっ!!」
「はぁ(´゜д゜)?」
「あっ!またそんな顔してっ!
可愛い顔が台無しだよぉっ(>_<)。」
……………どうでもいいわ。
「昨日の格好って…私服ってこと?」
「え、違う違うっ!顔だよ、顔っ!」
「顔ぉ?」
意味不明。理解不能。
顔とか…昨日と同じ顔だけど。
別に整形とかした覚え無いんだけど。
「まぁつまり、眼鏡外して、
お化粧しようっ!ってことっ!」
「はぁ?」
本日3回目。
反応すんのもめんどくなってきたわ。
「大丈夫大丈夫っ!
今日も可愛くしたげるっ!!」
何が大丈夫なんだか。
私は一言も了承してないんだけど。
「安心してっ!奏乃に紹介したい人って、
蒼空君の友達のことだからっ!!大丈夫!」
……蒼空君の友達?
「…………ソレって、つまり男…。」
「お腹空いたねっ!
早くお昼食べようよっ!」
遮られた。このぅ。
その後も、ちょくちょく聞いたのだが、
毎回スルー、または遮られ、
結局聞けずに学校は終わってしまった。