Diva~見失った瞬間から~
「碧眞…。」
「何だよ。まだあんのか。」
「今日、何の日か知ってる?」
「俺の誕生日。」
目の前の彼は即答した。
「……普通、
忘れてたとか言うもんじゃない?」
「カレンダー部屋に有んだから、
気付くだろうが。」
……そうですね。
「で?お前は俺に何くれるわけ。」
「え、私があげるの前提なの?」
「当然だ。お前は俺の彼女だろう。」
"彼女"。
確かに今、碧眞はそう言った。
「……碧眞っ!」
私は碧眞に抱き付いた。
ヤバい、自分から抱き付くの初めてだ。
恥ずかしいけど、心地良い。
「誕生日、おめでとう。」
「ん。それで?」
まだまだ私は素直になれそうもないな。
「それで終わりか?」
でも。
「碧眞、大好き!!」
今日だけは、少しだけ素直になれた。
「今更。」
「碧眞、ちょっとは嬉しがってよ!」
憎まれ口も健在だけどね。
♯素直♯ end