Diva~見失った瞬間から~
「は、葉月…歌音(カノン)起きちゃうよ…。」
「平気だろ。まだ起きない。」
間にいる歌音に構わず、
葉月は私に顔を近付けてくる。
「おかあさん…。」
ピタッと葉月の動きが止まった。
「おとうさん…。」
2人して固まった。
「せまいよ…つぶれちゃう…。」
ホラ、やっぱり起きちゃった。
私は即座に葉月との距離を取った。
「ごめんね歌音。お母さん寝相悪くて。」
まだ眠そうな歌音を私はあやす。
「ん…おかあさんギュウして…。」
私は言われた通りに、
歌音を抱き締める。
すると、その上から
葉月が私共々歌音を抱き締めた。
「フフ…おとうさんもおかあさんも
あったかーい。」
ニコニコと笑う歌音に
思わず笑みが零れる。
「歌音、まだ寝てて大丈夫だよ。」
私は歌音の頭を撫でた。
「うん…ねむい…。」
「お休み、歌音。」
「おやすみ…。」
「お休み。」
葉月の言葉を最後に、
歌音は再び眠りについた。