Diva~見失った瞬間から~

はずかしいよぉ…。


でもここでおわっちゃダメ!

おかあさんからもらったチョコも

かえでくんにちゃんとあげなきゃ!


「それで、あの…。

きょ、きょう"ばれんたいんでー"だから、

か、かえでくんに……

チョコもらってほしいの!」

わたしがチョコをまえにもってくると、

ガサッておとがした。


「"ばれんたいんでー"?」

かえでくんは、

ちょっとおどろいてるみたい。


「あのね、

おんなのこがすきなおとこのこに

チョコをあげるひなんだって!」


「かのん、ぼくのことすきなの?」


「うん!」

かえでくんはカッコいいもん。

やさしいし、あたまなでてくれるの。


「わたし、かえでくんがだいすき!」

わたしがまただいすきっていうと、

かえでくんは

わたしのほうにあるいてきた。


それで、わたしのてににぎってる

チョコのふくろをやさしくとったの。


「ありがとう、かのん。

ぼくもかのんがだいすきだよ。」

かえでくんがそういったあと、

かえでくんのかおが

どんどんちかづいてきた。


そして、「チュッ。」ておとがして、

ほっぺたにふわってなにかあたったの。



< 469 / 500 >

この作品をシェア

pagetop