Diva~見失った瞬間から~
服を制服に着替えて、
モコモコのタイツに足を通して。
鞄に今日の授業の教科書とノート、
あ、あと宿題の問題集を入れて…。
一通り準備を終えた私は、
部屋から出て、階段を下った。
《ガチャ…》
1階の、リビングのドアを開けた。
「おはよう、お父さん。」
ソファに腰かけているお父さんに
私は朝の挨拶をする。
「お、歌音。おはよ。」
お父さんは私の方を向き、
挨拶を返した。
……今日も格好いいです、お父さん。
どうしてそんなに格好いいんですか。
「奏乃ー。歌音起きたぞー。」
お父さんは
キッチンに向かって声をあげた。
「本当?あ、歌音。おはよう。」
するとお父さんの声に反応したらしい
お母さんが私を見つけ、挨拶してきた。
「ん、おはよう、お母さん。」
私も、挨拶を返す。挨拶は大事だよ。
…で、今日も綺麗です、お母さん。
どうしてそんなに綺麗なんですか。