Diva~見失った瞬間から~
「それでそれで?」
時鶴が私の方にズイッと
身を乗り出した。
私と天瀬君(?)を交互に
大きな瞳で見る時鶴。
今にも天然ゆるパーマな髪の毛が
テーブルの上のケーキに
付きそうなんだけど。
「時鶴。
ケーキのクリームが髪に付くぞ。」
おぉ、蒼空君ナイスフォロー。
「え、嘘っ!?あ、良かったぁ。
まだ無事!」
自分の髪の毛を見て一安心の時鶴。
「で?」
時鶴はまたもやズイッと寄ってきた。
てか、さっきから何なの…。
「時鶴。奏乃が困ってるぞ。」
蒼空君…さっきからマジで有りがたい。
ヤバ、いつもよりイケメンに見えるわ。
「だって、蒼空君も気になるでしょ?
天瀬君と奏乃と知り合いだったんだよ?
ねぇねぇ、いつ会ったの?」
目をキラキラと輝かせている時鶴。
「知り合いって程でも無いけどね。」
私はバッサリと言い切った。
いやだって、公園で1回話しただけだ。
それ以来会ってもないし、
話してもないしね。
「え、知り合いじゃないの?」
時鶴がシュンッ…というような
効果音が付くようにガッカリしている。
「葉月、何で奏乃知ってんの?」
…蒼空君。別に聞かなくても良いから。