Diva~見失った瞬間から~
「歌音?朝よりパッとしない顔してるな。
どうかしたのか?」
………。
「どうかしたのか?」じゃないし…(泣)。
さっき楓、 言ってたじゃん。
「黎琉がチョコ持った女子から
攻められてるの見たぞ。」って。
"チョコ"って言ってた。"チョコ"って。
楓……、今日が
バレンタインだってこと知ってたんだ!
なのに私は
チョコの1つも渡さないで…。
なんて駄目な彼女なんだろ…(泣)。
「歌音…?大丈夫か?」
楓は、いつものように優しい声だった。
……まだ、嫌われてないかな。
まだ、間に合うかな。
チョコレートを忘れちゃったのは
本当に馬鹿だと思った。
マジで何なの私って思った。
だからせめて、楓に嫌われる前に…
正直にチョコ忘れちゃったって
話さなきゃいけないと思った。
「…………か、えで…。」
「ん?」
楓、凄くカッコいい。
もう、他の女の子から
チョコ貰っちゃったのかな…。