Diva~見失った瞬間から~
「そ、そんなことない!
私、楓のこと大好きだよ…!」
って、道路のど真ん中で
何言っちゃってんの私ー!
「へー?大好き?」
顔を覗き込まれて、
真っ赤であろう顔を見られた。
「……なぁ歌音?
俺が好きってことはさ、
俺の奥さんになってくれんの?」
「へ…?」
『ねぇ、かのん。
ぼくがすきってことはさ、
ぼくのおよめさんになってくれるの?』
今の楓の言葉に、
いつかの、約束が思い出された。
「俺と結婚してくれんの?」
『ぼくとけっこんしてくれるの?』
「…………す、する…。」
『…………する!』
「じゃあ、歌音は俺のお嫁さんだな?」
『じゃあ、
かのんはぼくのおよめさんだね。』
楓はあの日のように、
にっこり微笑んだ。
『でもねかのん。
ぼくたち、まだけっこんできないよ。』
次の楓の言葉も覚えていた。
幼い私達2人の、大切な思い出だから。
「なぁ歌音知ってる?
俺達、もう結婚出来るんだけど?」
「え?」
でも、今日はあの日とは違っていた。
「大人にならなきゃ出来ない。
でももう俺も歌音も、
結婚出来る年齢。」
「え、あ、うん…。」
私は17歳だし、楓は18歳。
法律上、互いの保護者の承諾があれば
私達は結婚出来る年齢。